雪本泰司|博士後期課程3年

現在の研究テーマ

  1. Jonathan Schafferという哲学者が提唱している優先性一元論(Priority Monism)を研究しています。たとえば、砂山は砂粒がなければ存在できませんが、砂粒は砂山がなくとも存在できます。砂粒の存在は砂山の存在より優先するという関係にあるように見えます。では具体的対象の中ですべてに優先する対象の数はいくつなのか。優先性一元論は、その数はひとつであり、全体としてのこの世界がそのような対象だと主張します。
  2. 否定的真理を真たらしめているもの(truthmaker for negative truth)は何かという問題を研究しています。たとえば、「ドラゴンはいる」の否定である「ドラゴンはいない」という命題が真だとします(それを「知ることができるか」は別の問題です)。このとき、これを真たらしめている、すなわち、これさえ存在すれば「ドラゴンはいない」が偽になることはないと言える具体的対象とは何か。私は全体としてのこの世界がそのような対象だと主張します。

研究キーワード

存在論、一元論、否定的真理

業績

論文

  1. [論文] 雪本泰司(2015)「否定的真理の問題-truthmaker 理論における非全面主義への批判-」, 『哲学の探究』, 哲学若手研究者フォーラム 42号, pp.190-209
  2. [ワークショップ報告] 雪本泰司(2018)「一元論の多様なる展開」, 『アルケー』, 関西哲学会 No.26, pp.37-43

口頭発表

  1. [口頭発表] Yasuo NAKAYAMA and Taishi YUKIMOTO “Truthmaker Maximalism and a Boolean Algebra of States of Affairs”, 3rd Conference on Contemporary Philosophy in East Asia, Seoul Korea, August, 2016
  2. [口頭発表] 雪本泰司,「様々な一元論からスピノザに接近する」, スピノザ協会第28回総会企画「ワークショップ・スピノザと現代形而上学」, 東京大学, 7月, 2017年

所属学会

応用哲学会、関西哲学会、日本科学哲学会

連絡先

u308810j[at]ecs.osaka-u.ac.jp

大阪大学科学哲学・分析哲学研究室

〒565-0871 大阪府吹田市山田丘1-2
大阪大学人間科学研究科・人間科学部棟内