入・進学希望の方へ

当研究室への進学を考えていらっしゃる学部1・2年生の方へ

人間科学部には哲学・思想を学べる研究室がいくつかありますが、本研究室が主に扱っている英語圏の現代哲学の特徴をあえて述べるとすれば、特定の人物や思想にフォーカスするよりも、テーマ別・トピック別に問題に取り組むことができる点を挙げることができるでしょう。すなわち「なぜ何もないのではなく、何かがあるのか?」「決定論が正しいならば自由はありうるか?」などといった哲学史上の難問にも直接取り組むことができます。とはいえ、好き勝手に論じてよいというわけではなく、むしろ、自分の支持する立場を明晰に説得力のある形で論証するために、専門的な訓練が必要となります。またその際には、すでに積み上がった議論をよく理解することもとても重要となります。そのために、授業は、講義科目(2018年度は「科学哲学」「人間科学基礎理論」「認知システム論」)のほかに、演習科目として現代人間学実験実習(I、II、III)と現代人間学演習IIが開講されています。演習科目では、受講者の関心に沿って本や論文を選び、読書会形式で議論するという方式が取られています。学部3・4年次にはこれらの科目の履修を通して、テキストを正確に読む力、筋道だてて説明する力などを訓練し、卒業論文に向けた研究基礎力を養うことになります。

卒業論文に関しては、比較的自由なテーマ設定が可能になるでしょう。執筆にあたっては指導教員による直接の指導だけでなく、現代人間学グループの他の研究室と合同で行われる構想発表や中間発表通して、他の研究室の教員からもアドバイスを得ることができます。また、大学院への進学希望者は、担当教員の許可の下で、4年次より大学院の演習科目にも参加することができます。

その他、ご不明な点やご質問等があれば、HP担当までお問い合わせください。また、ぜひお気軽に研究室の見学にお越しください。

大学院への入学を希望される方へ

入学試験の情報については、人間科学研究科のホームページもよくご覧ください。

当研究室について

当研究室は、科学哲学、科学史、分析哲学、分析形而上学、科学技術社会論、技術者倫理など幅広い分野にわたって研究が行われています。実際、現在の大学院生の研究テーマは、科学不正、AIの倫理、科学的実在論、量子力学の哲学、死の害、時間論、自由意志論、メタ形而上学、カール・ポパーの哲学など多岐にわたっています。具体的にどのような研究テーマが可能かについては、直接お問い合わせいただくか、メンバーのページから所属院生の研究テーマを参考にしてください。また、大学院生は本学部からの内部進学者のほか、外部からの進学者が多いのが特徴です。理学部出身者など、学部や修士課程で哲学以外を専門とされていた方もおられます。

人間科学研究科のカリキュラムについて

毎学期いくつかの講義科目(2018年度は「科学哲学特講」「人間科学基礎理論特講(内容は社会存在論)」「認知システム論特講(内容は時間の哲学)」が開講されました)と、博士前期課程・後期課程合同の演習授業が開講されているほか、修士論文に関しては現代人間学研究分野合同で中間発表等を行うことになります。また、正規の授業とは別に、大学院生が中心となって、いくつかの自主的な勉強会を開催しているほか、近隣の大学院等での勉強会に定期的に参加している学生もいます。

専門以外のカリキュラム上の特徴としては、博士前期課程については他講座開講科目が4単位(2科目)必修であることと、初年次に「学際人間科学特講」という科目が必修科目になっている点が挙げられます。人間科学研究科には、行動科学、社会学、教育学、人類学などさまざまな分野を専門とする学生が所属しているので、これらの科目の履修を通じて、普段なかなか接することのない分野にかんする知識や人的交流を深めるきっかけが得られるかもしれません。

大学院入試について

大学院入試については、博士前期課程は秋・冬の年2回、後期課程は冬に1回入学試験が行われています。前期課程については試験科目は英語と専門科目A, B(「系」の基礎的知識に関する試験と、「研究分野」の専門知識に関する試験)の3科目です。くわしくは研究科のホームページから募集要項をご確認ください(英語については「近い将来に筆記試験・英語を廃止し、TOEFL-iBTもしくはIELTS(AcademicModule)のいずれか一方または両方のスコア(成績)によって英語の学力判断を行う予定」であるそうなので十分注意してください)。また、本研究科教務係にて過去問題の閲覧が可能です。

先輩からのメッセージ

受験勉強なんて何年振りでしょうか?現役学部生なら学部受験から数えて早4年、社会人の方や既に他の院を出られた方にとってはもしかしたら久々のイベントかもしれませんね。特に英語の勉強は院試でも大変重要になります。当研究室は、極めて幅広い哲学的テーマを扱っています。主に物理学を題材とした個別科学の哲学を始め、形而上学やロボットの倫理等を扱っている院生もいます。論証を立てながら、推論するという分析哲学のスタイルを共通に、日夜自らの課題に取り組んでいます。この研究室の一員になれば、比較的自由にやりたいテーマを選べるのがメリットであり、入学後は院生仲間と幅広く勉強できる環境が整っています。興味のある方はまずは事前に連絡を取って頂いた上で、是非とも一度研究室訪問にいらして下さい。

大阪大学科学哲学・分析哲学研究室

〒565-0871 大阪府吹田市山田丘1-2
大阪大学人間科学研究科・人間科学部棟内