Jonathan Schafferという哲学者が提唱している優先性一元論(Priority Monism)を研究しています。たとえば、砂山は砂粒がなければ存在できませんが、砂粒は砂山がなくとも存在できます。砂粒の存在は砂山の存在より優先するという関係にあるように見えます。では具体的対象の中ですべてに優先する対象の数はいくつなのか。優先性一元論は、その数はひとつであり、全体としてのこの世界がそのような対象だと主張します。
否定的真理を真たらしめているもの(truthmaker for negative truth)は何かという問題を研究しています。たとえば、「ドラゴンはいる」の否定である「ドラゴンはいない」という命題が真だとします(それを「知ることができるか」は別の問題です)。このとき、これを真たらしめている、すなわち、これさえ存在すれば「ドラゴンはいない」が偽になることはないと言える具体的対象とは何か。私は全体としてのこの世界がそのような対象だと主張します。
[口頭発表] Yasuo NAKAYAMA and Taishi YUKIMOTO “Truthmaker Maximalism and a Boolean Algebra of States of Affairs”, 3rd Conference on Contemporary Philosophy in East Asia, Seoul Korea, August, 2016